わたし「お待たせしました!」
R兄「おはよ~じゃあさっそく行こっか!」
亀有某所。
今日という日を、わたしはどれほど心待ちにしていただろう。
2020年は「神木隆之介くんと友だちになる」と決め、目標に向け努力をしてきた。
R兄の目にはわたしは太って見える、と判明し辛いこともあった。
R兄からしたら1ミリも神木くんに近づいていないと言われ、悲しいこともあった。
そんな思い出に、さよならバイバイ。
見てなさいよ、R兄。
今日のわたしは、これまでとは一味も二味も三味も違うんだから。。!!!
ーこの、亀有で
ゆりかフランネルの歴史が動き出すー
*
ところで、わたしが亀有に何をしに来たか、気にはならないだろうか。
よかろう。
\みじんも気にならない/という黄色い声援にお応えして、特別に言っちゃいます。
ちょっとだけよ~?あんたも好きねぇ。。
ズバリ「殺陣体験教室」をやるために、ここまで来たのだ!!
「殺陣」といえば“るろうに剣心”。
と、いうわけだ。
だがこれは、お遊びではない。
決して“鬼滅の刃 ” の我妻善逸にあこがれて~とか、
いつか異世界に飛ばされてた時に力になれるようにとか、
そういうわけじゃない。
そういった下心や煩悩は、駅前に置いてきた。
亀有公園前派出所に“おとしもの”として届けられていない限り、取り戻すことはできない。
古より日本には「こぶしとこぶしで語り合う」という文化がある。
だがわたしは女だ。
神木くんのこぶしでも、さすがに顔面で受けきる自信はない。
ならば!
と、こうして「殺陣」を教わりに来た。
早く上達して神木くんと切り合いっこするんだ。。!
「刀と刀で語り合う」その日を夢見て。
*
歩いて数分。
ようやくたどり着いた道場。
ドキドキしながらもドアをゆっくりと開けると、中から小柄な女性でてくる。
透き通るような白い頬に、やわらかい笑みを浮かべ迎えてくれる。
動物で例えるならば「うさぎ」だろうか。
小動物のようにちょこちょこ動くお姉さんに癒されつつ、一通り説明を受ける。
そして、ついに体験の時が。。!
お姉さん「では、ウォーミングアップから初めて行きますね!わたしの後に続いてきてください~」
その声を合図に、シュッと姿を消すお姉さん。
え、どこいったの?
戸惑うわたしに構わず、続けてシュッと姿を消すR兄。
ポールやコーンを目印に、うさぎ跳びをしたりしながらひたすら部屋中を駆けずり回る。
全く付いていけない。
まってよ、ねぇ、これまだウォーミングアップだよね?
お姉さんはまだしも、なんでR兄ふつーに付いてってるの!?
尸魂界(ソウルソサエティ)出身の死神かなんかなの!!?
*
ウォーミングアップだけで、HPバーがレッドゾーンに振り切れるわたし。
対して「ちょっと運動しないとだな~」と、のんきに話すR兄。
いや、あなたもう充分です。
そのままでいてください。
これ以上やられたら、わたしより先に神木くんと友だちになりかねない。
いつの時代も、どこの業界でもそう。
ライバルは、少ないほうがいい。
*
地獄のウォーミングアップを終え、ようやく木刀を手にする。
木刀を手にするのはいつぶりだろう。
高校の修学旅行で“洞爺湖”の文字が彫られた木刀を、買おうとしたとき以来ではないだろうか。
そんな思い出に浸りながらいざ振ろうと思ったその時。
「お、やってる~?」
_人人人人人人人人人人人_
> 佐々木小次郎、見参 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
紺色の袴に、一つ結び、それに加えて高身長。
この方を佐々木小次郎と呼ばずして、何と呼ぼうか。
\死者が黄泉の国から還ってきたぞ!!!!/
と、脳内で叫ぶおっこと主さまを振り払い、あいさつを交わす。
どうやら道場主らしい。
佐々木小次郎「殺陣ってどんなものかって、話は聞いたかなぁ?」
わたし「少しだけ。。」
佐々木小次郎「そっかそっか~じゃあ簡単に説明するねぇ」
おっとりとした口調で殺陣について話し始める。
5分経過
佐々木小次郎「ありえない動きとかでも、こうしたら~。。」
10分経過
佐々木小次郎「普通の刀はさすがに使えないから~。。」
15分経過
佐々木小次郎「ふふっ、どうだったかなぁ~。。」
20分経過
佐々木小次郎「ま、要するに。大人のチャンバラ遊びって感じかなぁ」
うん、先にそれ言って!!!!
枝葉があるから会話が盛り上がるのはわかるんだけど、
枝と葉しか見えないから樹海にでも迷い込んだかと思ったよ!!!!?
*
ようやく佐々木小次郎の樹海を抜け、いざ稽古へ。
足の作法では「腰の抜けたおばあちゃんみたい」と言われ、
剣の振りではR兄に格の違いを見せつけられた。
この人絶対、前世は侍だったと思う。
太刀筋が初心者じゃないもん。
ていうか誘ったのわたしなのに、R兄、佐々木小次郎に褒められすぎじゃない?
とジェラシーをギンギンに向けつつ、体験を終えた。
*
亀有の佐々木小次郎と、小動物系のお姉さんに感謝と別れを告げ、帰路につく。
わたし「いやぁ~これでまた神木くんに近づきましたね。歴史動いた感触がある。」
R兄「あ、そう?俺から見たら1ミリも近づいてないけど。」
わたし「」
最初から最後まで、R兄からマウントを取ることはできず。
終始ジェラシーにまみれた1日だったが、それでもわたしは知っている。
今回の経験は無駄ではない。
2020年6月には、神木くんと友だちになっている(かもしれない)未来を、
わたしは知っているからだ。
*
殺陣体験後の熱き想いを、ラジオにたっぷり封じ込めました!
10%の努力と、 5%の友情。
そして85%のジェラシーをおたのしみください。
【第23回】趣味:殺陣教室に行ってきました。
https://rec.audio/recs/bprha5i23akg01tsi0kg
#RECラジオ
#殺陣 #趣味
=R兄:鉄の掟=====
その1:ネットで神木くんの動向を得ることなかれ。※WikipediaやファンのツイートチェックもNG❌ とにかくアナログで情報を収集せよ!
その2:TVや映画など、神木くんが出演している作品は閲覧を許可する。
===============